視点・焦点・論点

第10号 令和元(2019)年8月 日

私が取組んできた主要な防災活動

筆者がこれまでソフトな防災活動として取り組んできた主要なもの(5事例)を御紹介いたします。
ソフトな防災活動は本当に息の長い、根気のいる活動です。今後も機会を捉えて継続していきます。

(活動その1)泉南市の住民・行政・地元大規模小売店及び地元防災技術者等が共同して取り組む防災コミュニティ創り

(1)活動概要
泉南市の全市民、小学生、幼稚園児、各種団体を巻き込んだ防災コミュニティ活動の全市的展開を行いました。

―こんにちは!防災していますか!を合言葉に―

●「あいぴあ泉南」(泉南市の福祉会館)での防災フェアの開催(防災シンポジウム、東日本講演会、DVD上映)
●市内10小学校、2幼稚園向け出前防災教育の実施(DVD上映、防災クイズ、女性消防団による防災紙芝居など)
●大阪南部広域防災拠点での防災ファミリーフェスティバルの実施(津波海抜標高サインの設置、小学生防災シンポジウム、出店、ダンスなど)
●泉南市、ボランティア団体等を交えた高齢障がい者等災害時要援護者への救援救護システムの検討会
●中学校区別市民向け防災研修会の出前(DVD上映、耐震アドバイザー講習会、木造住宅耐震セミナー等)

(2)成果及び教訓
●小学校や幼稚園児の真剣な参加に手応えを感じた→(防災啓発の活動はまず子どもから)
●防災ファミリーフェスティバルは、1,000人以上の集客を得て成功であった→(防災活動への遊びの要素の組み込みは効果あり)
●災害時要援護者(災害弱者)対応への個人情報保護法の壁⇒(災害時、命が大事か個人情報が大事かの問題)

(活動その2)堺市自主防災組成活動の支援

(1)活動概要
●活動内容をいくつか設定し、市民、子ども、防災リーダーを対象に連続的に自主防災活動を支援しました(下表)。

活動名 活動概要 手法
マンション居住者研修会 ・西区の鳳地区でマンション自治会役員
・住民に対する防災研修
クロスロードゲーム
防災教育研修会 ・中区での中学生を対象とした防災研修 中学生パネルディスカッション
防災士・防災リーダー研修会 ・堺区内の防災士
・防災リーダーを対象とした防災講演会
講演会
避難所運営演習研修会 ・西区浜寺4校区住民を対象とした津波防災講演会及び津波避難訓練支援 実際の津波避難訓練
防災フォーラムの開催 ・堺市市民会館で防災フォーラムの開催 基調講演(河田先生)
パネルディスカッション
(竹山、向井、河田)

(2)成果及び教訓
●研修者参加型のクロスロードゲームを活用した防災訓練は、参加者に防災について考えさせるために効果的である。
●避難路を実際に歩くのは、実体験として有効である。標高標識はよく設置されているが、避難路に表示、道路着色もアイデアである。
●防災フォーラムは全市民対応であって、結果成功したが、自主防災活動は区単位でも大きすぎる。共助の単位は、隣近所と自治会単位で!

 

(活動その3)堺市美原区における自主防災組成の立ち上げ

(1)活動概要
●堺市美原区内で自主防災組織が出来ていない9つの自治会に対して、自主防災組織の立ち上げ支援を行いました。

(2)成果及び教訓
●自治会構成員の中で、リーダーの熱意が組織立ち上げや自主防災活動の水準を左右する。
●「防災士」の資格は、防災リーダーとしての自覚を持つ等に有効な手段である。
●自主防災会の役員には高齢者が多く、災害時に機動的に活動できるかが問題である。→(若者の取込み)

(活動その4)堺市西区自主防災活動支援

(1)活動の概要
●14ある小学校区毎に出前、2年にわたって被災者による講演会の出前開催を行った。
●1年目は神戸で被災した人に、2年目は福島で被災した人に講演依頼を行った。

(2)成果及び教訓
●こちらから地元に出向いていく出前形式の効果は非常に大きい(気軽に出席)。
●アンケートを取ると、「改めて考え直した」「日頃の準備の大切なことがわかった」という意見が多い。


(活動その5)泉南市防災技術者の会活動

(1)活動の概要
●平成16年から現在にわたって活動を継続している。(継続は力なり)
●特色は、地元で働いているか、住んでいる建築士、技術士を中心とする技術者で構成している。
●毎年の定例行事として、防災フェアー(自前活動)と合同防災訓練(市主催)に参加している。(海抜標識サインの設置、AED講習の実施、泉南市防災まちづくり協議会の設立支援)

(2)成果及び教訓
●技術者が本来の能力を生かし、自主防災活動に係ることの根本のところは、「建物」、「地盤」、「都市、市街地」の防災対応の3つの視点が重要である。
●地元のまちを知っている建築士や技術士等が地域に根ざした防災活動を展開する効果は大きい。


建設系の技術者は、土木技術、建築技術、都市計画技術をもって、人々の人命、財産をいかに守るかが最も重要な使命!